大気中微粒子検出システムの詳細

 気象ロボットに付加する新たなセンサとして、神栄テクノロジーのパーティクルカウンタを購入しました。
ファンで吸い込んだ試料気体に780 nmのレーザを通して、側方散乱を2つのフォトダイオードで受けます。


 検出器の一方は素通しで、もう一方には偏光フィルタが入っています。
 素通しの検出器は当然、微粒子ならばなんでも検出します。
 偏光フィルタが入っている検出器は、散乱光が偏光している、すなわち、微粒子が光学的な異方性を持っている場合にのみ
検出します。たとえば、花粉です。


 よって、2つの検出器の出力をマトリックス解析すると、今大きな問題になっている大気中微粒子である黄砂と花粉を判別
することができます。


 本体は約9cm角で、光学系は金属製のハウジングに収められています。
 外気は下方に見える四角い孔から吸い込まれ、光学系を通過してマイクロファンで排出されます。


 インターフェースはXPortとマイコンで構成されています。
 左上にモニタ用のLEDが一部見えます。


 花粉計測システム一式です。
 インターフェース用のハウジングは塩ビ板で作りました。
 灰色の箱の左上部に見える小さな黒丸はアクリル板で作ったモニタLEDの発光確認用の導波路です。


 設置場所として、使われていない換気用の通風トンネルを使うことにしました。
 暫定的に塩ビ板で固定治具を作りました。
 外気との距離は約10cmですが、下側に強制通風用の小型ファンを近日取り付ける予定です。


 生憎、壁面が南向きなので、外側に遮蔽板はあるものの、トンネル内はかなり明るくなります。
 散乱光を避けるため、塩ビとアルミで小屋根のあるハウジングを作り、部屋側を向けて取り付けました。


 インターフェースボックスを収納したところです。



 教育目的としてこの微粒子計測モジュールを購入した理由は、環境に対する興味喚起はもちろんですが、
 XPortを使いこなすきっかけになってほしい、ということがあります。これについては別途記述します。
 数年前、トランジスタ技術の記事でXPortを初めて見た時には正直、たまげました。
 値段も安いし、教材としての価値は非常に高いと思います。