光と物質の相互作用
では、次に、光が何かの物質に当たった時にどうなるかをみていきましょう。まずは透明なもの、例えばガラスのコップなら
どうでしょう。空のコップなら(空気が入っている)向こう側がきれいに見えますし、水を入れても向こう側の景色が歪んでは
いますが、映ってみえます。「透明な」物質に光を当てても、通り抜けてしまうのです(本当はもっと奥の深い話なのですが、
ちょっと難しいのでそこは無視します)。では、ガラスのコップの中にアイスティーを入れたらどうなるでしょう?映った景色
は茶色に見えますね。メロンソーダなら緑色に見えます。しかし、アイスコーヒーを入れたら、真っ黒で向こう側はほとんど見
えません。これは、お茶やメロンシロップやコーヒーの成分が可視光の中の特定の色、もしくはほとんどの色の光を「吸収」し
てしまうからです。このように、物質には特定の波長の光を吸収するそれぞれ固有の能力があるわけです。
さて、「物質が光を吸収する」ということまではおわかりいただいたとして、問題はその中身ですね。一体何が起きているの
でしょう?
実は、「物質が光を吸収する」ということの中身は「光と物質との間のエネルギーのやりとり」なのです。つまり、物質の側
に光のエネルギーを受け取る「受け皿」があるわけです。「お水あげるよ」と言われても、コップをもっていなければもらうこ
とができません。コップという「受け皿」があって初めてお水をもらうことができます。そして、直感でなんとなく想像できる
ように、受け皿の大きさがその鍵になります。いくらコップをもっていたとしても、スプーン一杯もらったところでコップは満
たせませんし、バケツ一杯ぶちまけられたら溢れて水浸しです。コップと同じか、少し多い位の量が一番いいわけです。
光の吸収もこれと同じで、物質が持っているエネルギーの受け皿と光のエネルギーが同じか、少し大きくなければ起きません
(レーザのような強い光の場合は必ずしもそうではないのですが、ここでは普通の光に限定します)。別の例えをすると、高い
鉄棒にジャンプして手が届いて初めて掴むことができるわけで、小さいジャンプを何回繰り返したところで全く意味はないので
す。これが光によって引き起こされる現象の大きな特徴です。