Webカメラ改造法

左から:改造に最適なLogicool C600, 中望遠レンズ(16 mm)取付(透明なパイプはフォーカス位置確認用の予備マウント), 標準レンズ(8 mm)取付
 小中学校や高校の理科の先生方でタイムラプスカメラがあったら、、と思っておられる方は多いと思います。
植物の発芽や昆虫の羽化の様子、雲の様子や月の動きなどを動画で見せることによる子供達の興奮と興味の喚起は教科書や
資料集の写真を見せているだけでは絶対に得られないでしょう。
 しかし、市販のタイムラプスカメラは非常に高価ですから、科学教育センターなどでしか使うことはできません。
先生方と子供達が一緒になって実験や観測に取り組み、結果を一緒に見ることこそ大きな教育効果をもたらせます。
そこで登場するのが市販のwebカメラです。

 webカメラの性能は急速に向上しており、百万画素を超えるものが数千円で入手できるようになりました。
しかも、タイムラプス撮影や連続写真からムービーを作ることができる本格的なソフトが無償公開されています。
しかし、市販のwebカメラは例外なく大きな画角をもつ広角レンズが取り付けられており、また、屋外で使うわけにはいきません。
発芽などの観察にはマクロレンズが必要ですし、野外観察には望遠レンズ、雲の観察には超広角レンズが欲しいところです。
 ありがたいことに、工業用や監視用のマイクロレンズが数千円で市販されています(エドモンドオプティクスなど)。
これを取り付ければマクロから望遠、超広角まで、百万画素以上の解像度でタイムラプス撮影やビデオ撮影ができます。
総予算は数千円からせいぜい1,2万円ですから、学校の教材費や個人の趣味の範囲でなんとかできるレベルです。
色再現性はここ数年で格段に進歩しており、最新型のものではデジカメ顔負けの美しい画像が得られます。
また、感度もかなり高いので薄暗いところでも撮影できますし、赤外フィルタを使うと赤外撮影も簡単にできます。
ただし、一世代前のwebカメラはマウントが12ミリだったので標準〜広角レンズならそのまま使えたのですが、最近のwebカメラは
10ミリのものがあり、マウントを改造する必要があります。
ちゃんとしたマウントを作製するには旋盤とフライス盤、それにマイクロピッチのタップが必要ですが、なくてもなんとかなります。
そのあたりの注意点を以下に解説しておきます。実際の手順は下のアルバムをご参照下さい。
そうそう、分解して改造するのですから失敗してももちろん保証はききませんよ!!
それほど難しくはないですが、不器用さに自信のある人はやめておいたほうがいいです(笑)。
いきなり新品を改造する自信のない方は、まず、そのへんに転がっている30万画素の年代物のwebカメラを分解して改造してみましょう。

注意点は
1)なるべく単純なwebカメラを購入する。オートフォーカスはダメです。私が使っているのはLogicoolのC600です。
2)マイクロレンズはIRフィルタのついたものを購入する。マウントを全て自作する場合にも使いやすいです。
3)インキュベータの中で撮影する場合などは全天候用のレンズを購入し、ウィンドウを使わずにレンズをOリングでケースから直接出す。
4)マウントは黒いアクリルやABSの丸棒などを削り出して作る。マイクロレンズのマウントと対応したタップ(12ミリマイクロピッチ等)が必要。
 元のマウントに継ぎ足すと位置合わせやティルト調節が簡単にできる。フライス盤と旋盤が使えるところで工作するほうがいい。
5)簡易に安く作るには、内径12〜15ミリ程度のABSや塩ビのパイプを使い(黒色のものがなければ後から内面に塗装する)、レンズに黒い紙などを巻きつけて詰める。
6)簡易に固定する場合には、グラフ用紙や壁の模様などを撮影しながら鮮明で歪みが少なくなるようレンズの位置と角度を調整する。
7)パイプやレンズを固定する接着剤には風呂・水廻り用のシリコン系接着剤(黒色)がよい。
8)マウントを作製する場合にも、必ずパイプを使って予備実験を行い、フォーカス範囲を確認してから材料の加工に入る。
9)防水ボックスは電子部品店で数百円で購入できるし、食品保存容器でも可能(ポリエチレンやポリプロピレン製は接着剤が使えません)。
10)ウィンドウはできればコートされているもの。安くあげるならスライドガラスなどで十分。
11)ケースのウィンドウの周りやUSBケーブルの穴は風呂・水廻り用のシリコン系接着剤でふさぐ。
12)USBケーブルは5mほどしか延長できない。屋上などに取り付ける場合はエクステンダを使う(画質が低下する恐れがある)。
ざっとこんなところでしょうか。細かいことはメールでご照会ください。

 分解と改造手順の写真


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京都府立大学生命環境科学研究科
生命分子化学専攻 石田昭人